ゴールドラッシュ 渋谷本店・新宿東口店・新宿歌舞伎町店

当時私は子供に英会話を教えており、英会話に慣れ親しんでほしいという気持ちから、時々アメリカの伝統的な歌も何曲か教えていました。その中に“クレメンタイン”と言う曲がありました。この曲はゴールドラッシュ時代に作詞・作曲された歌です。

お店の名前を決める時に、ふとこの曲とゴールドラッシュの事を思い出し、そのまま店の名前として決定しました。ちょうど1号店が地下におりる店だったので、洞窟に潜るような感じがしたのです。

また、ゴールドラッシュという名はとてもインパクトがあり、夢がいっぱい詰まっている良い名前だと思っています。もちろん、いまだにとても気に入っています。店の場所は夢の一等地にあるわけではないので、お客様を呼び込む為に何かインパクトのある食べ物で勝負すべき！と思案した結果、おばあちゃん自慢のサルスベリーステーキ（ハンバーグステーキ）の専門店にしました。

1910年に私の祖父母がギリシャからアメリカへ移民し、マサチューセッツ州のボストンでお菓子屋とパン屋をオープン。「多くのお客様に喜んでいただいた」と父がうれしそうに言っていたのをよく覚えています。

私のおばあちゃんはとても料理が上手で、毎日家族のために料理を作ってくれており、心のこもった温かい手料理が日々の楽しみの1つでもありました。おばあちゃんの得意料理は、大きく、赤く熟したトマトの中に挽き肉とお米を詰めて、さらにチーズをのせてそれをオーブンで焼いたギリシャ風の料理と、サルスベリーステーキ（ハンバーグ）を作る事でした。

このように私の祖父母が食べ物に携わった仕事をしていたので、自然に私も料理に興味を持ち、気が付けばレストランまで経営しておりました。おかげで父に”It runs in the family！”（遺伝している！）と言われました（笑）